砂上の城



   









何かを感じても
それをわざわざ誰かに伝えたい知らせたい
などとは




以前のわたしに比べて
全く思わなくなっている




ましてや頼まれてもいないことなど
他の人に対して出しゃばるようなことは




いまのわたしにはあり得ない
これからもまず進んですることはないだろう



 
かつての自分を考えたなら
まるで真逆に変わってしまったよう




このブログすら書くだけ書いて下書きに入れて 
メモとしてしまわれる




それはわたしが




特定の誰かに伝えたい
という意思が無くなったことにある




そして不特定多数の人たちにむけて




自分から何かを広く発信したいといった欲求が 
無くなったことにも




関係してるのかもしれない




だからといって以前のように
気持ちや感情を吐き出して衝動的に




表現したくなったりする事が
全くないわけじゃない




それでも以前と比べ




そこまでしたい、という
強い意思が時間をかけて少しずつ




わたしから奪われていった
ということかもしれない




それは今だけそうなのか
しばらくずっとそうなのか




あるいはもう変わらないのかについては
断言できないにしても




いまのわたしは




現実の自分に対して何かをしたくなり   
誰かのために働きかけるのをやめたから




それは現実の自分から逃げるのを
やめたというよりも




夢見がちな自分に
期待する気持ちが失われてゆくのと平行して




移ろう人や世界にたいして
期待に思いを馳せることそのものが





砂上の城のようにわたしの中で
損なわれていったのかもしれない